第12回みんなの美術展応募作品から
第12回みんなの美術展応募作品から注目した作品、気に入った作品を選びました。
Shimoji
外から人の手によって壊されていく書斎に立つ人。作者なのか。両手で何かしようとしている。そう考えると、破壊しているのは自分の手か。作者の心の中をあらわしているシュルレアリスムな作品で、想像心が膨らむ作品。
聖柄さぎり
パッと見た目は、江戸の街並みを描いた細密なイラスト画。でも人々をよく見ると、タイトルにあるように、その中に現代人がダイムスリップ。現代人を探すのが楽しい。絵本になるような作品。
吉井蒼良
岡本太郎か?と思わせる目玉と炎。勢いのある筆遣いと力強い原色のコントラストが、今を生きるエネルギーを感じる。
肋骨
4色のひび割れた背景に、パッと見た目は微笑んでいるかのように見えるキャラクターの違う個性的な4人の顔。しかし、じっくり見ているとその顔には奥深い怒りや、妬みや、憎悪などを秘めたものを感じる。小さな顔のキャラクターも不気味さを助長する。偽物の笑顔を見透かした作者の世の中に対する怒りを感じる。
Shin Tsuruta
少ない色数とタッチでの色面構成が心地よい。風を表す白い曲線が画面に緊張感をあたえている。できれば大きな作品で表してほしい。
nakano takumi
緻密なペーパークラフト作品であるが、ゴチャゴチャした建物を作者の創造の世界に組み立てていく。じっくり見ても楽しいい作品だ。この作品は題名通り、工場あり、住宅あり、商店あり、ホテルありの、まさに狭い日本を象徴する密集した世界の四面楚歌。でも植物もあり、何かちょっとほっとする。サイズの表記がないので残念だが残念。