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岩崎和子

ID: KazukoIwasaki

第6回みんなの美術展応募作品から

第6回みんなの美術展応募作品から注目した作品、気に入った作品を選びました。

鳥とねこ

青木一也

色彩もアイデアも、とにかく楽しい。じっと見ていると物語が動き出します。理屈なく、ダイナミックで可笑しくて、思わず心を開いて対話してしまうような絵です。
ビビットでディープな‘大人色’が、ちょっぴり複雑なニュアンスも醸し、魅力的です。

むし対むし

青木一也

野原ではこんな事が起きているのか(笑)こんな絵が描ける人はきっと幸せな人だろう。と、笑って眺めていると、こちらの気持も和らいで、楽になって行きます。賑やかなのに、安らげる色使い。不思議です。

平松 依里子

美しい空、海の輝き。人影はなくても、暮らす人達の明るさが伝わるようです。アニメのワンシーンのように、光や風の声、音楽までも聞こえて来そうですが、広い空と 沸き上がる雲の描写、青の持つ力が、全体の軽いタッチを落ち着かせて、気持の良い作品です。

夜鶯

シュチエン

魅力的な紺青の濃淡が、揉み紙と良く合って、深い心象の世界に誘います。眠りに落ちる小鳥は、夜が包み込んでくれるのをじっと待っているかのようです。日本画の独特な雰囲気と、物語性に惹かれました。森に帰った「ナイチンゲールの物語」を連想します。

昼寝

カツレイイ

脱力の手足、無造作な巻き毛、映える白のラグとフリンジ、透け感。色々な技術が見えて楽しい。グレイッシュピンクに引き立てられ、床の青が、主役のように印象的です。日本画と西洋画の領域を越えて見る絵は、面白く飽きません。

すがさわ

よくある構図に、現れた不気味な気配の空間。きっちり描いているのに、垂れ下がって来そうな天井、平らなのに膨んで来そうな床。鈍い光があるのに、消点は拒否するように黒く塗り潰され、まるでブラックホール。「ムンクの叫び」に似た不安感に襲われます。

牡丹

チカ坊

螺鈿の様に貼った「卵の殻」の白さが、際立って美しい。厚ぼったさや、ざらつきが感じられず、滑らかで繊細。「工芸」としての完成度を感じます。色彩もデザインも美しい。赤黒以外の漆は、使い方でとても素敵ですね。

仮面

中島泰士

彫りのテクスチャー効果が加わると、表現が一段と強調されますね。きっと実物はもっと迫力があるのでしょう。写真からも、厚みが伝わってきます。印象的な色使いも、モチーフのユニークさも、彫りに負けないインパクトで、飛び込んできます。

空の樹々

まろ

シンプルな筆跡の、程良い滲みやエッジが描く木々の、さり気無さ、柔らかさに安らぎます。重なりすぎない色と色が爽やかに響き合い、ドローンの空中散歩のような良い気分になります。中心に白く輝く流れが浮かび、希望の道のようです。

R134

高橋玲奈

流れる色、渦巻く色、飛び散る色。色々な形と色で表現された海辺の風景の中、力強く伸びるR134が、ワクワク気分を乗せて、あの島まで運んでくれるのですね。タイトルからも、ストレートに作者の気持ちが伝わってきます。