アクリル/キャンバス

カテゴリー: 洋画
タグ: [第10回みんなの美術展応募作品, オリジナル, アクリル画]

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　おぼろげな記憶の中に息づいていた子どものころの私たちは、いつしか私たちの心を離れていってしまった。彼らは帰る場所もなく、ひとりぼっちで、今、どこをさまよい歩いているのだろう。そして彼らの家出と共に、なにかとても大切なものを気がしている。忘れかけていた記憶の中の子どもたちを、私たちは今、探し出してあげなくてはならないのではないか。
　作中の子どもたちは、個性を持った特定の誰かではなく、「幼少期の原体験」を共有しうる全ての人である。そこに自分と似た姿や、どこか懐かしい風景を見つけたのなら、心の中でそっと手をつないで、お家につれて帰ってあげてほしい。迷子なのは絵の中の、記憶の中の子どもたちだけではないはずだ。いつかの感動も胸から抜け落ちて、ずっと灰色の世界を迷子のままでは、あなただってきっとさびしい。

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